筆者が実際に聴くと

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はじめに

筆者は、「音声ファイルがデジタル的に同じでも、リッピング条件によって再生音が異なる」と感じているので、リッピングにもある程度拘っています。ただ・・、まだよくわからないことが多いです (^^;;

このページは、音楽CDとCD-Rの音の違いがわかる方、CD-Rごとの音の違いがわかる方、HDDごとの音の違いがわかる方、HDDとSSDで音の違いがわかる方、デジタルケーブルごとの音の違いがわかる方、などなど、が対象です。

尤も、以下に述べる音の判断は筆者の個人的な例です。あなたとは違うかもしれません。だけど、それでいいんだと思います。皆が同じこと言っていたら、それはオーディオじゃありません(笑)。
興味が湧いたら試してみて下さい。また、新しい発見があったら教えて下さい。

リッピング条件

すべてのリッピング条件が検討の対象になります。
主に以下のようなところかと思います。

  1. 光学ドライブ
  2. リッピングソフト
  3. リッピングソフトの設定
  4. 光学ドライブの設置方法
  5. 光学ドライブの電源
  6. ケーブル
  7. PC環境

1、光学ドライブ

挙げた中で最も影響が大きいと思います。お好きなドライブを見つけて下さい。
ただ、光学ドライブの旬はとっくに終わってしまっているので、残念ながら、これから良いドライブが出てくる可能性はほとんどないと思います。

中古まで選択肢に入れれば、大雑把には、以下のような選択方向だと思います。基本的に、書き込みと同じです。もちろん、機種により多少?の凸凹はあります。

  1. Blu-rayドライブよりDVDドライブ、DVDドライブより CDドライブ
  2. 高倍速ドライブより低倍速ドライブ(できれば最大読み速度が32倍速以下)
  3. インターフェースはS-ATAよりP-ATA、P-ATAよりSCSI
  4. MMC準拠ドライブより各社独自コマンドのドライブ

どんどん古くなりますので、いづれも最後の条件を整えるのは、一般には厳しいです。PCも古い環境を残す必要があります (^^;;
S-ATAの高速転送よりP-ATAの低速転送のほうが好ましいです。S-ATAのドライブはコストダウンが進みすぎていますので、P-ATAのほうに良いドライブが多いです。

PCパーツなのに、オーディオのように、メーカーの個性が出ていたのも興味深かったです。Plextor、TEAC、RICOH、は音楽より音を感じさせましたし、SONY、YAMAHA、PIONEER、は音より音楽を感じさせました。もちろん、OEMではなく自社生産機種に限ります。

筆者の最もお気に入りは、SCSIで2倍速のCD-ROMドライブです。ただ、古すぎるので、このドライブに適したコマンドを発行できるのはExact Audio Copy ぐらいです(笑)。

2、リッピングソフト

いくつか試してみて下さい。
あまり試していないのですが、WindowsではCD ManipulatorやCDDA2WAVを、MacやLinuxではCDPARANOIAを、とりあえずお勧めしておきます。いいのが見つかったら教えてください。ただ、音質ばかりではなく、操作性やCDDBのことなども考えると、選択は悩ましいですね。

リッピング中のパフォーマンスを比較してみました。→リッピングソフトのメモリー消費とCPU使用率

3、リッピングソフトの設定

リッピング速度

書き込みほど違いが出ませんが、リッピングでも遅いほうがいいと思います。設定を変更してみて下さい。ただし、PIONEERのドライブは読み速度のバリエーションがないので、遅くするには付属ユーティリティで静音モードにするしかないです。

セキュアなリッピング機能を常時使用するかどうか

役に立つことは少なくても安心のために常時使用されている方がいらっしゃるかも知れません。筆者の場合、音に悪いと感じるので使わないようにしています。ダメージディスクをうまく読めない時だけに止めたほうが良いと思います。

その他各種設定

設定を変更すると音が変わる場合があります。気になる設定があったら試してみましょう。
CDPARANOIA標準では、ずらしながら重複して読んでいきます。いわゆるフレーム間補正(ジッター補正と言われたりもします)です。初期のCDドライブ対策と思われます。筆者はこれをしないほうが好みです。

4、光学ドライブの設置方法

PX-W8432Tをコーリアンボードに底付した様子 画像は、PlextorのPX-W8432Tを300mm*500mm*12mmのコーリアンボードに底付した様子です。この状態でリッピングすると、音のフォーカスがビシッと決まるようになります。合板でも試せます(回転系なので、モーメントの観点から、重さより広さを重視したいですが・・)。

これは極端な例ですが、これに限らず、お使いの環境に最適な設置方法を探してみて下さい。
なお、外付けのためにインターフェースを変換するのはなるべく避けたいところです。

HDDでも同様なんですが・・

5、光学ドライブの電源

良いに越したことはありません。しかしながら、投資に見合った効果があるかということになると、難しいところです。ほとんど市販品がないし、高価だし、試聴なんかできないし・・。PC電源や外付けスイッチング電源より、リニア電源(最近はアナログ電源とも言う)の、できれば3端子レギュレーターよりディスクリートの、電源がいいと思いますが・・。ちゃんとした電源ならPC電源のようなノイズっぽさは無くなりますが、好みに合うかどうかは、また別の問題です。
ぶっちゃけた話、自作電源で苦労してます(楽しむとも云う 笑)。

6、ケーブル

S-ATAケーブルで試したことはないのですいません (^^;; P-ATAケーブルでいくつか試しています。スマートケーブルを好んだ時期もあったんですが、現在はごくノーマルなフラットケーブルに落ち着いています。どうやら単芯の音が好きなようです。

7、PC環境

CD-R書き込みや再生と同様に、ハードも(OSも)なるべくロースペック(なるべく軽く)、が良いことは間違いないと思います。だけど、困っています (^^;;
というのも、今のところ、CD-R書き込みや再生でPC環境を変えたほどの違いが出ないみたいなんですね。特に、ロースペック環境でリッピングしたものをハイスペック環境で聴いても良さがわからないんです。ドライブ毎の違いはよくわかるのに、なぜだろう、という感じです。なので、ゆったりと追試中です (^^ゞ

リッピングした後のこと

悩ましいのは、リッピングよりリッピング後です。

筆者は以下のように感じています。

  1. 音声ファイルをコピーすると、微妙に音が変わる。
  2. リッピングして放置したままでも、微妙に微妙に音が変わる(リッピングドライブが違うWAVで継続確認中)。

なので、リッピングした音声ファイルをなるべくコピーしないようにしています(2、は仕方ないとして ^^;;)1、を確認したい方は、メインメモリー上に作成したRAMDISKとの往復をやってみて下さい。

とはいえ、記録媒体もいづれ壊れますからバックアップも必要ですし、長い間には何世代かコピーせずには済みません。「リッピングにあまり拘らない」という選択もあっていいと思います(笑)。

最後に

「デジタル的に同じだけど、再生音が違う」
音楽CDのリッピングでもこれが当てはまります。リッピング条件を工夫するのも良いでしょう。

しかし、細かいことまで踏み込むと、ファイルコピーも楽にできないなど、その後の扱いにも慎重さが要求されて、自分の首を絞めかねません。また、長い間に音は変化していくように思います。人により匙加減は違うと思いますが、リッピングに必要以上に拘らないほうがいいんじゃないでしょうか(笑)。
我々はプロフェッショナルではありませんので。


juubee's おぼえがき © by juubee アドレス画像 作成 2013/10/16 最終更新 2014/12/15