CD-Rにおける緋色の研究
---- ドライブ内部は何色がいい? ----
ドライブをいつまでもバラックにしておくのもなんなので、いつかボックスに組みたいと思っている。最近のドライブならコーリアンでもいいが、低速SCSIは発熱が大きいから金属でと思っているが、お高くなるし工作も難しくなる。のんびり考えているうちに年月が過ぎていく。いつになることやら。
とはいえ、まだいくつか検討事項が残っている。色もその一つ。
Wikipediaによれば「可視光線とは、電磁波のうち、人間の目に見える波長のもの。」で、「JIS Z8120の定義によればその波長はおおよそ短波長側が360nm〜400nm、長波長側が760nm〜830nm」であるらしい。CD-R読み書きに用いられる波長は780nm帯だから長波長の可視光線で、お試しリジッド化したドライブを暗所で蓋無しで使うと、メディアを通しても赤い光が見られる。
書き込みに影響を与えるのは、レーザー光の照り返しであろう。書き込みに使われなかった、またはメディアに反射したレーザー光が周囲に散乱し、周囲の物体はそれを反射する。それがまたレーザー光が照射されるポイントに戻った時、何らかの影響を及ぼすのだろう。近ければ近いほど、その影響は大きいと思われる。光がいっさい戻らない、のが理想だろう。
ドライブ内部の色やメディアレーベル面の色が書き込み品質に及ぼす影響について、以前より、緑が良いとか黒が良いとかいろいろ言われてきたが、CD-Rドライブに関してはPlextorがPX-W4012TAだったかで採用して以来、世間様では黒が定番となっているようだ。YAMAHAのCRW-F1などはグレーかな。オーディオでも黒は多いみたいである。猛者の中には、部品すべて黒塗りしたり、(ちょいと危ないが)かの山本氏のオプティカルダンパーZを試みたりする方もいらっしゃると思う。最近のドライブは何色かのフロントベゼルが付属してくるから、一部とはいえ手軽に交換できる。
そのまま黒を採用してもいいが、それでは気が済まない(笑)。いろいろ検討するのも楽しみのうちである。いつかゆっくりやろうということで、内部塗装をジッと我慢?していたが、ようやくその気になった。バラックなドライブにしたのもいろいろ検討しやすいから、ということもある。古いドライブをお持ちの方なら、キャディーを塗装してもよさそうだ。もう何年か前になるが、webcomsのレポで○○さんはそうされたらしい。
ドライブではないが、森氏の著作「DVD/CD-R パーフェクトデータ」にも、レーベル面の色が音質に及ぼす影響について細かい記述がある。
<測定 編>
メディアレーベル面の色編
レーザー照射に近いところほど影響が大きいのではないかということで、最初に検討した。メディアは、Fuji(中国製SKC oem)の5色ミックス、Maxell48倍速(太陽誘電oem)の10色ミックス。
・結果
C1エラーのバラツキが大きすぎて、まともな比較にならない。同一パッケージの同色でも違いが大きすぎる。 誘電は少しマシかと思ったが同様。ロットもバラバラであろうから、仕方がない。 それにしても最近のメディア、よく3以上が出るようになった(苦笑)。
ドライブ内部色 編
- ドライブ -> お試しリジッド化&一部クロック換装したPX-R820T 1.08を使用。
画像のように色紙を両面テープで貼る。蓋にも貼る。
ドライブだけでなくメディアもなんとかしようということで、 ノンレーベルのメディアに色紙を載せてレーベル面の代わりとする。裏もなるべく近い色に印刷する。
めくれるかと心配したが、どういう空気力学?の具合か、うまく張り付いていた。 微妙なダンプ効果が心配?だが、条件は皆同じということでご勘弁願う。
- 環境 -> CPUにCeleron1.0Aを使用したPC。Nero CD/DVD Speed4.60で4倍速書き込み。
- メディア -> 太陽誘電32倍速ノンレーベル 74分 50枚スピンドル(何年か前に買ったやつ)
測定は、1、BenQ DW1620 B7W9+ Nero CD/DVD Speed 4.60 12xCAV、 2、Plextor PX-712A 1.09 + PxScan1.751 4xCLV、の2種。
黒、赤、緑、白、の4色x各色3枚づつ。蓋をかぶせ、砂袋を載せる。
・結果
黒、 赤、 緑、 白、
どの色も変わらない、と言えそうだ。
以前、黒はC1エラーが低い、みたいなグラフを見た気がするが、一体何だったのだろうか(笑)。
<聴感 編>
メディアレーベル面の色編
- メディア -> Fuji(中国製SKC oem)の5色ミックスから、黒、赤、緑。
Maxell48倍速(太陽誘電oem)の10色ミックスから赤、緑、シルバー。
- 環境 -> CPUに486DX33を使った焼き専環境。ドライブはPremium2 2倍速。
ドライブ内部色編
- 環境 -> CPUに486DX33を使った焼き専環境。
- ドライブ -> PX-R820T。測定編と同様。等速や2倍速で3回。
- メディア-> 太陽誘電32倍速ノンレーベル 74分 50枚スピンドル(何年か前に買ったやつ)
・結果
はっきり言って、大した違いはありません。これぐらいなら、あまり拘らなくていいでしょう(爆)。 良い悪いというより、好み程度の違いに思われます。まとめてブラインド・テストしたらすっかり自信を無くしてしまい、 以後は1対1を基本にしました。以下、筆者なりに拘った場合です。
- 白 高域が多目の明るい音。音が平板。画像の白トビみたいな印象。
- 黒 響きが抑えられてクリアでシャープな音。抑えすぎの感じがしないでもない。
- 緑 響きが多い。中〜高域に延びているが、低域は弱い。
- 赤 響きが最も多く、柔らかな音。
- 灰 色と同じく、白と黒の間。色つけが少ない淡白なかんじ。色が薄めでも意外と変化する。
- 黄 白に似ている。少し艶が載る。
- 青 緑までのことはないが、少しモワっと系。音は、黄色と緑の間かな。
感想
- 気に入ったのは、黒と赤。書き込みの邪魔をしないということでは黒が良さそうだが、
きつくあたる時や淋しい時もある。柔らかでゆったりした赤も悪くない。黒と混ぜて円地か茶色が落としどころか?
- 他の色は周波数バランスがいまいちで、特に低域が弱く、深みが出にくい。
- 真白は止めた方が無難と思う。灰色や黄色など、僅かな色でもだいぶ違ってくる。
- 補色である緑だがあまり好きでない。補色にするには多すぎかも知れない。黒と混ぜて濃い緑ぐらいが適当なのか?
- メディアを買うとき、そんなに色を意識しなくて良いと思う。メディア間の違いの方がよっぽど大きい。
今回焼いたFujiの黒とMaxellの白では、筆者なら間違いなく後者を選ぶ。とはいえ、
誘電の32倍速か音楽用で黒メディアを見てみたい気もする。
- どうもよくわからない。・・・なぜレーザー光のスポットがあんなに大きいのだろう。
デジカメで簡単に撮影できてしまうのだろう。トラックピッチは1.6マイクロm、プリグループの巾は0.03マイクロm
だというのに・・。記録面で焦点を結んだ後、あんなに広がるのだろうか・・。
なぜ(緋)なのか・・、遊びです(^^;;
シャーロック・ホームズ読んだ人ならわかりますよね。結果的に赤(緋色)も好印象だったわけですが、タイトルとしてはおかしいですね。