音楽を扱うパソコン環境について

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パソコン

いきなりですが、パソコンにこだわることはありません(爆)。

デジタルの基礎の基礎らしいですが、電気信号が低周波の時はなんでもなかったものが、高周波になると、配線の湾曲や角、部材の接点、などなどからノイズを発するようになるそうです。周波数が上がれば上がるほど増えるそうです。
人間は高周波ノイズを直接聴くことはできませんが、オーディオでは、音がこもる、音が平板、音がかたくるしい、音がか細い、などの症状で現れるように思います。

現行のパソコンはハイスペックで高周波ノイズが多く、OSも重過ぎます。ファイルを再生したり、CD-Rに書き込んだりするだけなら、もっともっと簡単なパソコンが適しています。

パソコンを使うなら、余計な部分をそぎ落としていく作業が必要です。しかし、オーディオ的に何も考慮されていないものをオーディオ的にしていくのは気の遠くなるような作業です。現行のパソコンで苦労するより古いパソコンで始めるほうが効率的ですし、いっそ専用機のほうが簡単です。ただ、オーディオ機器のコストパフォーマンスは良くないので、気楽にパソコンから始めるというスタンスはありだと思います。

ファイル再生の場合
パソコンで苦労するより、ネットワークオーディオプレーヤーなどのオーディオ機器を購入するほうが結果的には近道だと思います。voyageMPDなどでAlixを導入しても、せいぜい500MHzのパソコンに過ぎず、オーディオ機器のコントローラーには及びません。もっとも、昨今のPCオーディオ機器がむやみにハイスペック化している恐れもありますが・・(笑)。

CD-Rの場合
凝った編集をしたい時はパソコンの出番ですが、それ以外はCDレコーダーかデュプリケーターがいいと思います。最近の音楽用メディアはスタンパこそ低倍速用でも色素は高倍速用のものが用いられた、いわば「かたわメディア」になっているようですから、メディア選択の自由があるデュプリケーターのほうが気楽かと思います。

Premium2などP-ATAドライブを使っている方は、早めにP-ATAドライブ用のデュプリケーターを入手したほうがいいでしょう。もう生産されることはないでしょうし、すでに流通在庫は尽きかけています。

なので現在のパソコンを使うことはあまりお勧めできないですし、以下の内容もだいぶ古くなってきているのですが、いちおう残しておきます (^^;;


大筋では、なるべくパソコン由来の余計なものをそぎ落とす方向でやっています。つまり、パソコンをオーディオ機器に近づけるための取組です。
CD-Rに必要なスペックは一般に考えられているよりだいぶ低く、何世代も前のPCで十分です。昔のPCに移行していくと、痩せていた音が次第に充実してくるのがわかります。

以下、言い切ってしまうことが多いですが、何事も断定は難しいのが常なので、絶対的にこう思っているわけではなく、今はこう思っている、ということですのでご理解をお願いします。

CPU

PCで最も大きなノイズの発生源です。CPUの世代の違いは大きな音質の違いとなります。ハードやOSが許さないと難しいですが、古い世代のCPUほど良いです。同世代で製造プロセスが同じなら、消費電力の少ない方が良いです。FSBを下げたり、Vcoreを下げることでも良くなります。

筆者は80486 DX33という古いCPUを使用しています。
P5世代ならPentium100、P6世代ならCoppermineコアの500MHzあたりを候補に挙げておきます。
C3も魅力的ですが、互換性が少しおちるようです。PentiumM ULVも試してみましたが、消費電力は少なくても音はP6世代に劣るようでした。

これ以上最近のCPUはあまり使いたくありません(笑)。

マザーボード

P4世代(486など)

まず、マニュアルの入手が重要です。これより後のマザーはシルク印刷で設定がだいたいわかりますが、この世代はやたらとジャンパーが多く、適切に設定するためには必須です。
AT電源ということになりますが、古い電源は老朽化してノイズが多くなっています。新品のAT電源は入手が難しいので、ATX-AT電源変換アダプターを使うか、おおかたは5Vだけでも動くので、適当な単出力電源を準備します。マザーだけで2Aぐらいです。

P5世代(Pentiumなど)

この世代でマザーがATからATXに変わっています。ATXでDIMMが挿せるマザーを捜すと敷居がだいぶ低くなります。同様な時期に、MMX対応などで各社共オンボード電源がリニアタイプからスイッチングタイプに変わっています。MMXは使用できなくなりますが、できればリニアタイプのマザーをお勧めします。この世代の定番はASUSのP55T2P4です。

P6世代(Pentium3など)

この世代で注目はチップセットです。LANやSOUNDなど機能を何でも詰め込んだ統合型チップセットはこの世代に始まると言っていいでしょう。これら余分な機能は音を濁らせますから、その前の世代のチップセット、INTELなら440BXを使ったマザーをお勧めします。Slot1の音は素直ですが荒いですから、socket370のマザーが良いです。大手のASUSならCUBXシリーズです。

識者の方がマザボを見れば設計の優劣がわかるのかもしれません。筆者ではそうもいかないので、なるべく有名どころを選択するようにしています。シンプルなマザボほど良いと思いますが、単に小さいだけのマザボはレイアウトに無理を重ねている恐れが高いので、避けるほうが賢明と思います。そういう意味ではノートパソコンも避けたほうが良さそうです。

メモリー

同世代の比較では、このパーツで音はそんなに変わらないようです。枚数が多いと電力も消費するしノイズも増えるので、必要最低限に実装するのが良いとおもいます。
かつて、DIMMで試した感触としては、チップ数が少ないほど良いようです。1枚で、片面実装、1bankのチップ数が少ないのを捜す、という方向になります。レジスタードECCも使って見ましたが、メリットはないようでした。

ただ、長い目で見ると、動作周波数が次第に高くなっているので、音も次第に悪くなっているのではないかと思います。メモリーだけの比較はできませんけどね。

HDD

HDDを絶対的に信頼する方も多いですが、筆者はあまり信頼していません。CD-Rのコピーではオンザフライ(CDを直接CD-Rにコピー)を多用します。HDDを通すと音が鈍るからです。以下、筆者の聴感からですが

SATA < PATA

インターフェースの動作周波数の問題かと思います。PATA-HDDもPCI-eバスの拡張カードに接続すると音が冴えません。PATAが有利なのは、PCIバス限定と考えます。

SCSI系 と ATA系

基本的にはSCSI系に軍配を上げます。なんとなく音が出てくるATA系に比べ、SCSI系は音が明確です。
しかしながら、SASがSATAより良いとは言い切れません。SASまで来ると動作周波数が相当あがっており、SCSIの良さはほとんど失われていると思います。PCIバスのSCSIカードに繋ぐULTRA-SCSIの頃のHDDが最も良いと思います。

容量

容量の少ないほうが音が良い傾向が見られます。P-ATAでしか比較できませんが、4GほどのHDDと500GほどのHDDを比較してみて下さい。もしかして、動作周波数の問題かもしれませんが・・。

HDD > SSD

HDDは、スピンドルのノイズのせいか、音がややえがらいですが、音が深くダイナミックです。
SSDは、スピンドルノイズがないせいか、弱音時の再現が綺麗ですが、音が平板な感じがします。CPUと同じように高密度の電子機器なので、記録媒体自体が高周波ノイズを発するせいだと思います。

SLC > MLC > TLC

SSDやSDカードやUSBメモリーなど、NAND型フラッシュメモリーを使用する記憶媒体の話です。SSDでははっきり判りますが、SDカードではそれほど明確ではありませんでした。

ちょい技
・HDDツールにあるAAM
・HDDを強固に取り付ける。

なんなら以下を試してみて下さい。

  1. HDDの記録位置による違い(外周部と内周部を比較)
  2. ファイル周囲の磁気状態による違い(無記録部分に0を埋めたり255を埋めたりして比較)

今後ますます速度アップが進むでしょうが、高速動作すればするほどノイズが増えますから、音はますます悪くなっていくでしょう。専用ファームウェアの開発などで若干の改良の余地は残されていますが、なにせ大量生産されるものなので、オーディオ側の都合が聞き入れられることはないと思います(HDDだけでなくインターフェースも含めた問題ですし・・)。記録媒体だけはPCと共通になりますから、PCオーディオのオーディオ機器でも逃れられません。

それに、HDDの音の違いがわかる人は限られていますから、「オーディオ用HDDの開発を!」なんて声が大きくなることはないでしょう。なにせ、音の良いSDXCカードを発売したSONYがさんざん叩かれるくらいです。

電源

PC電源の質は残念ながらあまり良くありません。筆者の聴感では、手持ちのどのPC電源も中級の汎用スイッチング電源には敵いませんでした。汎用のスイッチング電源を組み合わせて電源を自作する方もいらっしゃいますし、筆者のようにPC用のリニア電源を自作したりする方もいらっしゃいます。汎用スイッチング電源+ATX電源コンバーター、でもだいぶ良くなります。

振動対策

電気が流れているものは振動しないほうが良いです。磁界の中で動けばそこで発電してしまうわけで、それはノイズになります。
HDD取り付けを強化するとか、マザボの取り付け板を強化するとか、いうのはやったことがあります。ビスの交換はあまりしていませんね。 振動抑制グッズも効果があるようですが、あまりやり過ぎてもなんなので、程ほどが良いようです。

外部電源ケーブル&電源タップ&コンセント

もちろんオーディオ同様に変化します。この分野はオーディオでの先達が大勢いらっしゃるので、そちらをご覧下さい。

その他

不要なものは無くした方が良いです。つまり、余分なカード、余分なドライブ、余分な外部接続です。余分なノイズが乗りません。筆者の専用PCには、LANカードもサウンドカードもFDDもありません。環境によってはこれだけで結構変わります。

OS

大きく変わります。
まずどのOSを使うかが重要ですが、お使いのハードによって制限されますから、ハード込みで考えることになります。OSの軽量化によっても変わりますが、そのOSの範疇を大きくはみ出すことはないようです。以下、続くと思う。

キャッシュの無効化

パソコンを早く動作させるために必須ですが、音には良くありません。できる限り無効化したほうがいいでしょう。

  1. CPUのキャッシュ(最近のOSで無効化するのは無謀 笑)
  2. OSのキャッシュ
  3. HDDのキャッシュ
  4. その他、いづれまた

juubee's おぼえがき © by juubee アドレス画像 作成 2003/9/17 最終更新 2010/3/6