月山

2015/7/19-20 登り:4時間 下り:3時間

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妻も下りの膝痛で長い間登山を諦めていたが昨年あたりからすこしづつ自信を取り戻しつつある。ハードは山行は無理だが、ソフトになら大丈夫そうである。今回は妻のリクエスト。高山植物が満開の様子をTVで見てすっかりその気になったらしい。筆者も異存はない。昔から芭蕉の「雲の峰----」の句がお気に入りで、登山が趣味になる前から気になっていた山だ。なだらかな山容だし、山頂で一泊すれば所要時間も妻にぴったりである。

ところが、日本海側は交通の便が良くない。朝日連峰を縦走した昔は夜行列車(ブルートレインと言うのか?)があったが、今はもうない。公共交通機関では金も時間もかかるし、おまけに乗り換えが多い。ちょっと遠いがしかたがない。車で行くことにした。

一日目。
朝6時発。雨の中を走り出す。新潟の先で高速は切れて一般道になる。笹川流れはなかなか風光明媚だが、北陸の海岸にもよく似ていて、なんだか地元を走っているようだ(笑)。午後3時半に鶴岡着。できれば下から登りたかったが、時間がないので車で直接羽黒山山頂に4時着。
さすが修験道の山、白い装束をまとった方々がお参りしていた。出羽三山の正式なお作法ではまず羽黒山に詣り、次に月山、そして湯殿山らしい。たぶんそうされるのだろう。
羽黒山麓のビジターセンターは閉まる直前だったが、少しお話が聞けた。8合目駐車場の混雑を心配してバス利用も真剣に考えていたが、車で上がることにした。そのほうが時間が自由に使える。バス便はとても少ない。帰りに麓の五重塔を見てからホテルのある鶴岡まで戻った。夕食をとった鰻屋の店主さんも月山には何回も登っているらしい。鶴岡からも近いし、地元では出羽三山に参詣するのが当たり前のようになっているようだ。足の遅い台風も過ぎたようだし、明日晴れますように!

二日目。
朝、窓を開けると山が見えた。かなり晴れている。昨日のビジターセンター横の登山道路に入る。緩やかな道路が次第に高度を上げていく。広大な山域に入ったようだ。大した混雑もなく8合目駐車場に到着。台風一過のせいか、それほど混んでいない。ただ、風が強かった。麓がよく見えるが、落ち着いてみていられないくらい強い。
時間はたっぷりあるので、8合目付近に広がる弥陀ヶ原を散策してから登ろうとしたが、あまりに風が強いので半分でお終いにして、メインルートを上る。次第にガスがかかって麓が見えなくなった。高山植物は8合目から咲いている。見慣れたハクサンイチゲが、なぜかとても小ぶりだ。ウサギギクも多い。羽黒山詣でを済ませたであろう白い装束の人も多い。
2時間で仏生池に到着。風を避けるため小屋に入り、ぜんざいを注文してから持ってきたおにぎりを食べる。さらに1時間強で山頂に到着。道はかなり整備されているが、敷き詰めた石の上で風に煽られるのでバランスがとりづらい。時々進退を迷うような強い風も吹くので、風陰でじっと待ったりした。山頂付近の原は山頂の陰になって風があまりない。このころにガスがだいぶあがって、周囲が見えるようになってきた。山頂付近にも雪が残っており、そのせいか、高山植物のためにはならない登山道がいくつもできてしまっていた。
山頂には社務所と神社があり、一人500円也でお祓いの列に連なる。人型の紙を投げ捨てたら、なんだか一度死んで、お祓いを受けたら生まれ変わったような気になった。山頂小屋に荷物を置き周囲を散策しようとしたが、あまりの強風のためそそくさと切り上げ、風のこない頂上直下の原で面白い雲の動きを楽しんだ。小屋に帰ったらフリースを着ても寒く、ふとんはまだ運び込まれていないので、非常用シュラフを出した(初めて使った 笑)。

三日目。
前日の予報では好天のはずだったが、雨。しかたがないので、朝ごはんを食べてからのんびり出発。風がそれほどないので、昨日より歩きやすい。石の道が多いが思ったより滑らない。しかしながら、最後には妻の登山靴は中までぐっしょり濡れて気持ち悪かったらしい。最後に、昨日回らなかった弥陀ヶ原の残り半分を周遊。花にはやや遅いと思われるが沢山の池塘が綺麗だった。尾瀬とここにしかないという案内を見たせいか、オゼコウホネの黄色い花がとてもいとおしく思えた。この日の画像は雨のため、ない。

山から下りたらあそこへ行こう、ここへも行こう、と、これからあまり来ることがないであろう庄内観光をわずかでも楽しむつもりでいたが、風と雨で疲れてしまったのかその気にならない。ガイドブックを頼りに鶴岡市内のお店でお昼を食べ、藩校跡を見学してから帰途についた。海岸沿いに出ると、焼けつくような日差し。梅雨明けだった。もう一日ずれてたらなぁ。

ホテルに近い鰻屋さんのおまかせ、山小屋、大学構内にあるので道を歩いていてもわからないレストラン、料理はどれもとてもおいしかった。もしかして庄内の料理はおいしい?

思惑とおりとはいかなかったが、高山植物も楽しめたし、妻の体調もまあまあだったので、それなりによかった。地元の人が信仰や教養の一環として登る?せいか、山に慣れない人の比率が高そうだった。山小屋も避難小屋というより民宿みたいだった。

juubee's おぼえがき © by juubee アドレス画像 作成 2015/7/31