2011/8/27
ぶらぶらと3時間
結婚して間もない頃、白馬の天狗原でワタスゲの可愛さに魅せられて以来、高層湿原や沼などは筆者夫婦の大好きな場所になっている。険しく高い山もいいが、やはりホッと心安らぐ場所がいい。近頃、妻の膝の状態がよくないのであまり行っていなかったが、子供が家にいなくなってフリーの時間が増えてきたこともあり、少しづつ復活してくるようではある。
今年の夏休み最後の土曜日、長野まで行かなくても、もっと近場でないかと探した結果、岐阜県の天生(あもう)県立自然公園へ行くことにした。奥飛騨、合掌作りで有名な白川郷の山の中である。
あまり頑張るつもりはないから、朝8時発。東海北陸自動車道を白川で降り、山の中に入る。本当に国道か?と疑いたくなる林道のような道を30分ほど行くと、天生峠に大きな駐車場があった。50台ほど止められそうだ。立派な案内板も立っている。登山道入り口にテントが立っていて、管理費として一人500円だという。かなり環境保全に力を入れているようだ。そのかわり立派なパンフを頂戴した。6月の水芭蕉の頃はごったがえすらしい。数羽のきれいな見慣れない蝶が気になっていたが、「アサギマダラ、海を渡る蝶々だよ」とのこと。そういえば、TVでみたことがあった。
12時7分に、登山道入り口に置いてある雑木の杖を借りて出発。妻の膝の状態を鑑み、湿原まで緩い登りばかりなのはあらかじめ調査済である。40分で到着。湿原中央の匠堂横で昼食。残念ながら、花はほとんどない。この時期、花に遅いことがわかっていたので気にならない。来れただけで満足だ。それでもまだ少々の花は咲いていて、シラヒゲソウなどが可愛かった。
来るまではここまでと思っていたのだが、テントのおっちゃんから薦められた「カツラ門」まで行くことにした。湿原から少し行くと、どれも籾糠山(もみぬかやま)へとつながる3本の道に分かれ、その真ん中の道の途中にある。ゆるやかな登りが深い原生林となり、二人で「すごいな」「すごいね」と感嘆の声を上げながら歩いた。30分でカツラ門。大きな5本の桂の木が並んでいて、そのまま絵葉書になりそうだ。もう少し登りたい気持ちがないではなかったが、時間をゆったりとっているので、やはりここで引き返すことにした。
シーズンオフらしく管理人さん以外は誰にも会わなかった。緑のシャワーと言いたくなるような場所だった(奥飛騨はどこもこんなかも知れないが)。