コマンドでCD-R
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OSによる違い
現在のパソコン操作はGUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)主体です。直感的で覚えやすく、便利ですね。皆さんもCD-RやDVDを焼く時、WindowsやMacでマウス操作していることと思います。音楽CD-Rを焼く場合、ドライブやメディアだけでなく、PC本体ハードの影響は次第に認知されるようになってきましたが、ソフトについてはほとんど認知されていません。各々のアプリケーションソフトの違いもありますが、ここではもっと大きなレベル、OSに着目します。
実は
筆者も当初は気にしていなかったのです。NT系の安心感から、最初2年程はWindows2000を使っていました。ひょんなきっかけで、Windows2000とWindows98の比較をしてみたら、あれっ?なんか違うぞ、ということになり、webcomsのBBSでも助言いただいたので、Windows95や、DOS、Linuxでもやってみました。Macはハードを持ってないこともあり、いまのところ、する気はありません(^^;;
結論からいいますと
OSによる音の差は存在します。大雑把にはOSが軽い程良いです。
WindowsXPやWindows2000などのNT系より安定性に欠けても98SEなどの方が良いです。さらに、GUIとCUIの差は大きいです。
遠〜い昔、DOSで使っていた386マシンにWindows3.0をインストールした時のことを思い出して下さい(爆)。あのめちゃくちゃな鈍重さが、マシンスペックが上がった今でも、影響を与えているのです。GUIは確かに操作性は向上しますが、高品質なライティングには邪魔のようです(きっぱり^^ゞ)。
音楽がストレスなく伸びやかに流れ、始めて以来ずっと不満だった点が、これで解消されたよな気がします。
そうもいかない場合
CUIが良いよ、ということですが、筆者みたいな専用PCならいざしらず、種々の事情でそうもいかない方がほとんどでしょう。そういう場合はデュアルブートという手もありますが、もっとも簡単なのは1CD Linuxを使う方法です(Puppy Linux で音楽CD-Rを焼こうへどうぞ)。
Windows環境でも、なるべく軽くすると良いですが、設定やレジストリをチューニングする程度では音はほとんどかわりません。98Liteぐらいのドラスティックな変更が要ります。
英語版を使う、という方法もあります。Windows2000からマルチランゲージ対応になり、 XPでだいぶ良くなったようなので、日本語アプリも問題ないようです。日本語環境のインストールも難しくありません。ただし、Windows2000の英語版でも98SE日本語版には敵いません。
具体的な方法
ここまででおわかりのように、ここでいうコマンドプロンプトは、Windows上のDOS窓や、LinuxのX-Window上のコンソールではありません。GUIが無い、純コマンドプロンプトです(正式にはどう表現するんでしょうかねぇ。)
GUIで動くライティングソフトは数多いですが、コマンドプロンプトで動くそれらは一般にはそれほど知られていません。ここでは、音楽を扱うことに絞って、筆者なりにまとめてみました。間違いや、参考情報などありましたら教えて下さいね。
Linux
音楽CD-Rしか焼かないので、時が経っても初級者のままで、間違いがあるかもしれませんが、同じような方に少しでもお役に立てれば幸いです。
Windowsしか使ったことない方には難しく思えるかも知れませんが、普通のディストリビューションで普通に使う分にはWindowsと同様です。インストールもあまりに新しいハードがなければ、おまかせで大丈夫です。
お勧めデュストリビューションが言えるほど詳しくないですが、初級者にやさしく安定性も高いVine Linuxが好きです。現在、486マシンがメインなので、だいぶ古いですがVineLinux1.1を使っています。USBやIEEE1394を使うなら、2.6ぐらい以上になると思います。
インストールのポイントは、テキストログインにすることです。X-Windowは使いませんから。
ソフト
音楽CD-R関係で、ある程度定評があるソフトは以下のようなところでしょうか。大抵のディストリビューションに入っているようです。ソースが公開されているため、Linuxだけでなく、いろんなプラットフォームで動く実行バイナリが存在します。Windows環境で動作するものもあります。
CDRECORD ライティング
CDDA2WAV リッピング
CDPARANOIA リッピング
CDRDAO 総合
筆者はCDRTOOLSに含まれる上2つを主に使っています。
Windowsと違い、Linuxではディストリビューションやそのバージョン毎にカーネルやCライブラリーが異なるため、同じものがどこでも動くというわけにはいきません。ソースは同じですが、それを元にそれぞれの環境用に生成された実行バイナリが必要です。使うディストリビューションに最初から入っていたり、モジュールが提供されていると楽ですが、自分でもソースから作れます。方法は、解凍された中のREADME.LINUXに書いてあります。生成した実行バイナリはパスの通っているフォルダーに入れておくだけで使えます。
なお、LinuxのX-Window上で動くソフトはフロントエンドです。実際は下部で上記のようなソフトが動いています。CDDA2WAVとCDRECORDを使うフロントエンドが多いようです。
リンク
CDRTOOLS release infomation CDDA2WAVやCDRECORDの本家
CDRECORD man CDRECORD 英文マニュアル
CDDA2WAV man CDDA2WAV 英文マニュアル
CDRTOOLS with DVD Support CDRTOOLS Windows版を配布しています
使用例
- ドライブのBus,ID,lunを調べます。
cdrecord -scanbus
SCSI-HDDが無く、ATAPIドライブ1つだけなら、0,0,0 になってると思います。
後述する cdrkit に含まれる wodim なら -devices オプションにします。 - リッピングします。
cdda2wav dev=0,0,0 speed=4 -x -B -Owav
dev=は1で調べた値です。-OwavのOはオーです。
生成される*.infファイルが邪魔なら、-no-infofile オプションを加えます。 - 書き込みます。
cdrecord dev=0,0,0 speed=4 -v -audio -dao *.wav
実際の例をご覧下さい。
注意点
- 最近のディストリビューションでATAPIやSATAドライブを使う場合、ドライブ指定方法が上記とは異なる場合もあります。詳しくは、cdrecord dev=help、などで説明をご覧下さい。
例)
dev=ATAPI -scanbus
dev=ATAPI:1,1,0
dev='/dev/hda' - Linuxでは大文字小文字は区別されます。
- 豊富なオプションがあり、AudioMaster、VariRec、T@2にも対応しています。今時めずらしい、セッションを閉じないTAOもできますから、CDレコーダーでファナライズを忘れた場合にも使えます。
詳しくはマニュアルを御覧下さい。 - 用済みファイル削除の勧め
リッピングの際、audio01.inf、audio02.inf、audio03.inf、・・・・のinfファイルと、audio01.wav、audio02.wav、audio03.wav、・・・・のwavファイルができます。これらは次回リッピング時に上書きされますが、次回の曲数が少ないと、今回のが残ってしまいます。削除する習慣をつけましょう(笑)。 - マイベストCDなどを作るためにWAVEファイルを1つづつ指定することもできますが、コマンドでは煩雑です(^^;;
- ファイル確認は、ls (≒DOSのdirコマンド)。
削除するには、 rm a* (rmコマンド≒DOSの del コマンド、削除されるファイルをいちいち確認したくなかったら、rm -f a*) - シェルの活用
大抵のシェルで、前に使ったコマンドは、↑キーで遡れます。便利です。 - DAO
残念ながら、非MMCドライブのDAOには対応していません。 - 編集したWAV
フレーム単位に綺麗に切ってないWAVは、書き込み時にエラーになります。リッピングしただけのWAVは問題ないと思いますが、編集する際には気をつけましょう。
オン・ザ・フライ
CDRDAOだけでもできます。でも、読み速度指定ができないみたいです。筆者はここには拘っているので、なるべく低倍速で読みたいのです。CDDA2WAVとCDRECORDをパイプで繋ぎます。実は、メールで教えていただきました。感謝m(__)mマニュアルにも書いてありました。ただし、バージョン2.01以上でないとできません。
使用例
- 本焼きの前に、トラック位置を示すinfoファイルを生成させます。
cdda2wav dev=1,0,0 -vall cddb=0 -info-only
dev=は先の1で調べた、読みドライブの値です。 - 本焼きです。
cdda2wav dev=1,0,0 speed=4 -no-infofile -B -Oraw - | cdrecord dev=0,0,0 speed=4 -v -dao -audio -useinfo *.inf
cdrecordのdev=は焼きドライブの値、speed=は速度です。
Linuxが初めての方のためにガイドを作ってみました
Puppy Linux で音楽CD-Rを焼こう
KNOPPIX 簡単ガイド
両者ともCDから起動して使うLinuxです。インストールの必要はありません。お試しにはピッタリです。
CDRTOOLS と CDRKIT (2012/1/9 追記)
LinuxでCDやCD-R関係にはずっとCDRTOOLSというコマンド群を定番だと思って使用してきたのですが、どうも最近のLinuxはそうではないようです(今頃気づくか ^^;;)。ライセンス的なことがこじれて、CDRTOOLSは嫌われる場合があるようです。Debianでは既にありません。
CDRKITもCDRTOOLSから派生しているので、コマンドは変わりますが、今のところ、中身はほぼ同じだと思われます。
cdrecord(書き込み)-> wodim
cdda2wav(リッピング)-> icedax
mkisofs(データCDイメージ作成)-> genisoimage
DOS
DOSを使おうという人もあまりいないと思いますし、紹介しているソフトももうダウンロードできなくなってしまったので、こんなこと書いておいても仕方ないかとも思いますが、いちおう参考のため以下を残しておきます。CDW-900Eで使えたのは嬉しかったですね。
どのDOSでもかまわないと思いますが、筆者はPC-DOS2000を使っています。英語モードで、HIMEMやEMSで、できるだけコンベンショナルメモリーを空けます。ライティングのために特別な設定は必要ないですが、SCSIドライバーとSCSI-CD-ROMドライバは組み込みます(後述)。
ソフト
筆者はこの環境で使えるライティングソフトを、CDRWINしか知りません。具体的には、CDRWIN16bit版のコマンド群です。その中で音楽が扱えるのは以下のコマンドです。
SNAPSHOT.EXE 音楽CDからイメージファイルとCUEファイルを生成します。
CDCLIP.EXE トラック単位でリッピングします。
DAO.EXE ライティングします。
使用例
SNAPSHOT ***.BIN /ID=0:3:0 /SPEED=4
DAO ***.CUE /ID=0:3:0 /SPEED=4
SNAPSHOT.EXEでCDからHDDにイメージ作成して、DAO.EXEでライティングです。SNAPSHOTでイメージを作成すると、同名のCUEシートファイルも生成されます。書き込み時はそのCUEシートを指定します。/ID=でドライブを示します。1番目のSCSIカードにSCSI-ID=3のドライブを接続した場合、例のようになります。これは付属のCDTOOLS.EXEでも確認できます。Win版のCDRWINでも表示されてますよね。詳しい使い方は付属のマニュアルを参照して下さい。
注意点
- 試用では音楽が扱えません。レジストする必要があります。
- 悲しいかな、SCSIドライブしか使えません。
- オンザフライはできません。
- CDCLIPでリッピングした後、音楽CD-Rを作るには、CUEシートが必要です。 やったこと無くても、音楽CD-Rならそんなに難しくないです。
- CDCLIPでリッピングする時、WAVでなくBINファイル形式にしましょう。 WAVだと、なぜか、DAO.EXEで扱えませんでした。
- バージョン3.8Gではできたんですが、3.9以上になるとできてません(汗)。バグなのか筆者の設定が 未熟なのか・・。成功例求む! とは云っても、困るのはPX-W4012TSぐらいですね(爆)。
Golden Hawk では、もう3.8GはDOWNLOADできなくなってしまいましたね。ここでこんな事書いても絵に描いた餅のような・・。dao16v38.zipなどを探してみて下さい。でも、もうレジストできないかも(^^;;