CD-Rメディアの見分け方

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中身が同じなら音も同じ。発売しているブランドよりも、製造メーカーに注目。

お店ではいろんなCD-Rメディアを売っています。でも、ほとんどのブランドは、他社が製造したものを売っています。販売しているブランドと製造メーカーが同じことはほとんどありません。例えば、MAXELLやTDKで発売しているCD-Rメディアは、MAXELLやTDKが製造したものではありません。

さらに言えば、TDKブランドのCD-Rメディアを販売しているのはTDKではありません。販売部門ごとイメーションに売られてしまったんですね。

16倍速の頃まではMAXELLやTDKも自社で製造していました。けれど、コストダウン競争についていけず撤退しました。現在でも日本で製造を続けているのはCD-R開発メーカーである太陽誘電だけです。太陽誘電は、各社にメディアを供給する一方、「That's」という自社ブランドでも発売しています。台湾でも、光学メディア生産量世界一を誇る?RitekやCMCなどの製造メーカーがあり、各社に供給しています。

店頭では原産国を確認しましょう

お店で中身を確認するために役立つのが原産国です。現在、日本でCD-Rメディアを製造しているのは太陽誘電だけですから、原産国が日本と表示されていたら、それは太陽誘電が製造した色素がシアニンのメディアです。

太陽誘電は民生用のメディアを速度ごとに1種類しか作りません。なので、速度が同じで原産国が日本なら皆同じメディアです。後は、プリンタブルなどレーベル加工の違いがあるだけです。日本製の48倍速は結構多いですが、皆同じメディアです。

ただ、最近は太陽誘電も、製造後半を中国で行っているメディアがほとんどになったようなので、原産国が日本と表示されていますが、半日本・半中国製と言えるでしょう(笑)。

日本製以外なら色素はほぼフタロシアニンです。
日本製以外は原産国を確認してもメーカーがわかりませんが、MAXELLやTDKなど有名ブランドは、同じメーカーから長く供給を受けることが多いです。2014年12月現在の台湾製なら、MAXELLはRitek、TDKはCMC、が製造メーカーです。

ツールを使ってメディアを確認しましょう

いくつかのツールやライティング・ソフトでメディア内の情報を読むと、いままで説明してきたほとんどを確認できます。左はNero Disc Speedの例です。

Nero Disc Speed のダウンロード
ただ、最近のDisc Speedは機能が制限されてきたようなので、ネット上に散見される旧バージョンのほうがよいかも知れません(Nero CD DVD Speed は旧ソフトです)。64bitに未対応っぽいのが残念です。

メーカーが同じだけで同じメディアとは言えませんが、MID(マニファクチャーID)が同じなら同じメディアです(プリンタブルなどレーベル加工の違いを除きます)。

ただし、書き込み速度はドライブが認識している内容なので、ドライブ内のファームウェアに登録されていないメディアは、めちゃくちゃな速度表示をすることがあります(実際、ドライブはそう焼こうとします)。

メディアは違いますが、ImgBurnの例です。
64bitにも対応しているようです。

例で確認してみましょう。

この2つのメディアは、

日本製で

MIDも同じです。

同じメディアだとわかります。

おすすめメディア

そう書いておいてすみませんが、実は安心しておすすめできる常用メディアがありません (^^;;;;
高速化とコストダウンのせいで、そんなメディアは無くなってしまいました。それで、「無難」という言葉を使わざるを得ないのですが・・。

現在最も無難なのは太陽誘電(=原産国が日本)の48倍速メディアだと思います。
同じくらい無難なのは、有名ブランドの台湾製48-52倍速だと思います。
エラーレートを測る環境を整えると、耳だけでなくメディアを評価しやすいのでお勧めなんですが、今はそれも難しくなってしまいましたね。

音楽用メディア(=データ用24-32倍速)は、現行の光学ドライブのファームウェアにはまず登録されていないので上手に焼けない恐れが高く、避けたほうが無難です。また、前述のようにおかしなメディアになってしまったようですが、いまだに旧パッケージで流通しているのがまともな時代のメディアだと思われますので、古いドライブを持っている方にはお勧めだと思います。

特別なメディア

  1. CDR-A80GP5
    太陽誘電の音楽用メディアですが、スタンパーの状態が良い時の選別品です。まともな時代の32倍速メディアだと思われますが、音楽用メディアの欄に書いたような理由で古いドライブを持っている方限定です。

  2. CDR-80SPMPT
    CDR-A80GP5同様の選別品ですが、さらに状態が良いメディアです。まともな時代の32倍速メディアなので、-以下同文。
    筆者的にはCDR-A80GP5で十分と思います。その差は価格ほどないと思います。また、保護シートを剥がす際に発生する静電気がトラブルの元らしいです。このショップでは音楽用メディアに分類されていますが、データ用メディアだったはずです・・?。
    CDR-74MY10Pは16倍速メディアの頃の売れ残りじゃないかと思います。

  3. 森メディアの訳ありCD-R
    太陽誘電の48倍速データ用メディアですが、プロ用に特別に生産された高品質メディアです。CD-Rの音質を考える人なら外せないと思います。ただ、現行のドライブには猫に小判でしょうし、レーベル面がすべるのでスロットインには不向きです。

juubee's おぼえがき © by juubee アドレス画像 作成 2015/1/2