CD-Rメディアの知識

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CDメディアの種類

以下の種類があります。

メディアの種類 データの記録方法 記録の性質 反射率
プレスCD 工場で型押し 工場でしか記録できない 100%として
CD-R 光学ドライブで書き込み 同じ場所には二度と書き込めない 約70%
CD-RW 光学ドライブで書き込み 同じ場所でも消せばまた書き込める 約20%

市販の音楽CDのほとんどはプレスCDです。稀にCD-Rで販売されることがあります。
コピーによく使われるのはCD-Rです。CD-RWはほとんど使われません。

これらの外見は良く似ていますが、構造が同じではないので扱いにも違いが出てきます。CD-Rは光に弱いですし、CD-RWの反射率はかなり低いです。

CD-Rメディアは光に弱い

赤いレーザー光 CD-Rの書き込みには780nm帯可視光線のレーザーが使われます。CD-Rの色素は日光にも(ゆるやかでしょうけど)反応します。書き込みが終わったCD-Rを日光に長期間晒しておくと次第に劣化して読めなくなります。暗い場所で保管しましょう。CD-Rメディアを店先で日光浴させるようなお店では購入しないほうがいいでしょう(笑)。
なお、読み込みにも同じレーザーが使われますから、読むたびにわずかづつですが劣化していきます。

反射率が低いので、再生できない機器がある

上の表のように、反射率は、プレスCD > CD-R >> CD-RW 、です。
このため、CD-Rが再生できない機器がありますし、CD-RWが再生できない機器は多いです。

CD-R/W再生OKの表示 お使いの再生機器の説明書をご確認下さい。最近の機器はCD-RWまで対応しているものが多くなっています。何も記載されてなければ、CD-RやCD-RWを意識して作られた機器ではないので、運次第です(笑)。

CD-Rメディア

メディアによって音が違います。試してみて下さい。
違うブランドで発売されていても同じメディアだった、なんてこともあります。確認方法をご覧下さい。
酷いメディアを避けて、無難なメディアを選びましょう(エラーレートの測定環境が欲しいところですが・・)。

色素

CD-Rに使われている色素は、シアニン、フタロシアニン、アゾ、の3つです。記録面の色が違うので比べてみて下さい。

現在、シアニンを使っているのは太陽誘電だけです。太陽誘電はシアニンしか使っていません。フタロシアニンは他のほぼ全メーカーが使っています。アゾは三菱だけが使っていましたが、最近はほとんど見かけません。

色素によって音の傾向が違うので、試してみて下さい。

書き込み速度

音楽CDの再生速度(150kB/s)を基準に、その何倍かを表します。現在発売されているCD-Rメディアのほとんどは48倍速か52倍速です。52倍速が理論的な限界らしいです。書き込みできる(とメーカーが言う)最大速度なので、最適な速度ではありません(笑)。また、指定した速度で常に書き込んでいるとは限りません。→ 書き込み速度の実際(未完成 ^^;;)

CD-R開始当初は等速(1倍速)でしたが、次第に高速になりました。と同時にコストダウンも進みました。スタート・ラボの会社概要に太陽誘電の各倍速の発売年が載っていますのでご覧下さい。

速度が違っても同じメディアに見えますが、同じ製造メーカーでも、溝の形状や色素配合などが異なります。

容量

現在は700MB(80分:正確には79分58秒)のCD-Rメディアがほとんどです。650MB(74分)もあります。700MBのデータ用メディアと80分の音楽用メディアの容量は同じです。

90分や99分メディアもアングラ的に存在しますが、再生できないことが多いので避けるのが賢明です。3分ぐらいのオーバーなら、オーバーバーンを試しましょう。

書き込み形式と容量

データCD形式で書き込むより、音楽CD形式で書き込むほうが、多く書き込めます。音楽CD形式はエラー訂正用のデータが少なくて済むからです。圧縮された音声ファイルのことも考えると、時間で考えるほうが簡単です。

トラック・ピッチと線速

CDの記録は、蚊取線香のように渦巻き状になった1本の線上になされます。違うのは、内側からスタートすることです。

トラック・ピッチは、渦巻きの間隔です。
700MBメディアは650MBメディアより、渦巻きが混んでいて、記録する線が長くなっています。

線速は記録の密度(再生や記録の標準速)です。
700MBや650MBメディアは1.2m/sです。以前発売されていた550MB(63分)メディアは1.4m/sです。記録する線の長さは650MBメディアと同じですが、線速が大きいので記録できる量が少なくなります。メディアの容量ごとにあらかじめ決まっている線速をドライブ側で変更して書き込む仕組みが、YAMAHA の Audio Master や Plextor の Giga Rec です。

トラック・ピッチの違いは音質にさほど影響しませんが、線速が大きいと音質が良い傾向があります。

音楽用メディア

大ざっぱには

音楽用メディアには、音楽用であることを示す印が埋め込まれています。
データ用メディアとの違いはこれだけで、中身は同じです。

音楽用メディアはパソコン用に作られるメディアではありません。いまではほとんど見かけないと思いますが、オーディオ機器であるCDレコーダーのためのメディアです。著作権法で定められているので、民間の音楽専用のデジタルコピー機には(補償金が含まれている)音楽専用メディアしか使えない仕組みになっています。MDと同じです。パソコンは音楽専用ではないので、今のところ対象外です。DAPも対象外なんですよね(笑)。

CDレコーダー
著作権法 第三十条
私的録音録画補償金制度

細かくは

音楽用メディアの中身は、24-32倍速メディアです(データ用としても売られています)。現在のデータ用メディアの主流は48-52倍速メディアですから、1世代前のメディアです。CDレコーダーの書き込み速度は等速(1倍速)がほとんどですが、高速用メディアでは等速をサポートできないので、残したのだと思われます。このメディアの情報を持っている古いドライブなら問題ありませんが、現行ドライブのほとんどはこのメディアの情報を持っていないので避けた方が無難です。

問題は、中身が変わってきているらしいことです。某氏によれば、溝の形状は従来通り24-32倍速用のままだそうですが、色素に48-52倍速用が使われるようになったそうです。いわばかたわなメディアになってしまっているんですね。同じメディアであるデータ用24-32倍速も含め、トラブルが懸念されます。

太陽誘電は従来のメディアに特性を合わせるべく調整しているとのことでしたが、他社はどうなんでしょうか?? 


juubee's おぼえがき © by juubee アドレス画像 作成 2015/1/2