記録媒体の記録密度と音質
雑記や掲示板に書いたのを、時系列に並べてみました。ちょっと手抜きです (^^;;
聴きくらべました 投稿者:juubee 投稿日:2010/11/23(Tue) 13:34
とりあえず東芝のSDHCを買ってきました。すべて4Gで、class2、class4、class10(白芝)、です。転送速度を測ったところ、class2とclass4はMLC、class10はSLCのようでした。
ついで、普段使っているPC(Core2Duo 8400E、XP SP3、サウンドはUA-1EX、Headphone SONY MDR-7506、Lilith(ASIO) )で聴きました。音は、class2 < class4 < class10 、のようでした。
class10は音がくっきりしますが、同時に良いメディア共通の弱点と申しましょうか、音の厚みが不足気味で、class2を好む方もいそうです。ついで、持っていたSandiskやKingstoneのclass4(転送速度からみて、MLCのようです)を聴きましたが、東芝のclass4と同じような感じを受けました。ところが、これはほんの序章でした (^^ヾ
聴くだけならなんでもいいので、ついでにCFを試しました。あまり最近のは持っていませんが、手持ちの中からとりあえず、Sandisk ultra2 の512MBを試しました。かなり良いです。いままで聴いていたSDHCカードとは一線を画します。ついで、A-DATAの2G。これも同様に良いですね。ついで、Sandisk の64M。圧倒的です。これは素晴らしいですね。CD-Rでやった時の、CPUの世代を遡ると得られる音によく似ています。
というように、当初予定していた東芝のSDHC比較なんぞはどこかに吹っ飛ぶような事態になりました。SDHCとCFという違いはありますが、本当の違いはフラッシュメモリーの製造プロセスのように思われます。勤務先に128MBのSDがあったので、これを持ち帰って試したいと思います。
CD-Rは黄昏だからファイル再生に移行しようと思っていたのに、その移行先も既に黄昏れていた・・、ような気が次第に高まっています(笑)。
2010/11/24
持っていたら、いや持っていなかったら無理にでも入手して試してみて下さい(笑)。CFでもSDでも何でもいいと思いますが、32MB、64MB、128MB、ほどが最適です。512MBでも許しましょう(笑)。1Gでもいい場合があるでしょう (^^;;
中身が見えないので確認できませんが、要は製造プロセス、つまり中身がまだ細かくない時代のフラッシュメモリーを使います。これにWAVEなどの音声ファイルをコピーして再生して、現行のフラッシュメモリーと比較してみて下さい。ただし、バッファをあまり多くしないで下さい。また、再生前にすべてをメインメモリーに上げてしまうタイプの再生ソフト(DAWソフトとかWaveFilePlayerとか)を使わないで下さい。
2010/11/27
SD(HC)カードの場合、よく訊かれるのが国産かどうかですが、それより機構的?違いのほうが重要だと考えています。掲示板でお教えいただいたことなどをまとめますと、以下の要素などがあるようです。
- 製造プロセス(細かさの程度ですね)
- セルあたりのビット(SLC、2bit以上/MLC)
- 多重構造(何枚重ね、みたいな)
- NANDを載せる基板設計
- コントロラーチップ
大容量化を実現するために1〜3に拍車がかかっているようです。製造プロセスについては、CPUと同様にそろそろ頭打ちになるところまで来ているようです。
2については、ベンチマークをとることで、SLCとMLCの区別ができるようですが、他の項目については資料を集めるぐらいでしょうか。いづれにしましても、中身が何であるかはかなり不透明な状況です。
肝心の音質ですが、最近は異常に高価なオーディオ用USBメモリーが販売されたり、SLCを採用したことを明言して高音質を売りにするメモリーもあるようです。SD(HC)のほうはカメラ用途が多いせいか、音質を売りにする動きはあまりないようですね。
フラッシュメモリーをお試しいただけたでしょうか? 筆者も驚いたのですが、SLC/MLCの違いより音の変化が大きいように思います。この効果は、筆者にとってはよく慣れ親しんだCPUの世代を遡った時の効果と同様なように感じます。例えば現行の白芝(白い東芝)SDHCは、巷にMLCが多くなってきている中、いまだにSLCで製造プロセスは32nmほどと思われます。これに対し、64MBのSDはここの33Pに拠れば160nmと思われます。単位あたりの面積比で25倍の違いがあるわけですね。製造プロセスが粗いほど音質が良いと考えて良さそうです。コンピューターも人間と同じように、文字が細かいと読み難いのでしょうね(笑)。
いつものことながら、古いものほど良いですよ〜、という話で恐縮です(^^;; 容量が少なすぎて使えないじゃないか、というご指摘も尤もです(^^;; 実は筆者も困っているのです(^^;; 車で再生するSDトラポの音にいまだに満足できません(^^;; いままで言いませんでしたが、筆者の焼き専PCで直接SDHCカードにリッピングしてもいまいちです。しかたなくSDトラポの改造を考えていましたが、先にメディアを確認するほうが良さそうです。CD-Rはいろいろ工夫することで期待に応えてくれましたが、最近のSDHCカードは既にその器ではないような気がしてきました。
ことは、SD(HC)カードだけの問題じゃないことはおわかりと思います。NANDを使う他のフラッシュメモリーもそうですし、SSDについても言えるでしょう。メインメモリーのSDRAMについても疑う必要があるでしょう。製造プロセスの微細化はNANDよりやや遅れ気味のようですが、それでも現行では40nmが主流のようです。
24日付け書き込みではやめとくように言いましたが、今度は、バッファを100MBほどとったり、音声ファイルをすべて読み込んでから再生する再生ソフトを使って、64MBほどのフラッシュメモリー上の音声ファイルを再生してみて下さい。筆者はSamplitude9のデモ版とWaveFilePlayerExperimentalで試しましたが、メモリーの種類の違いは出るものの、製造プロセスが微細なメモリー上にコピーされたことで、64MBフラッシュメモリーの良さはかなり失われると感じました。
メモリーがそうなら、他の記録媒体も同様かもしれませんよね。そんな恐れと期待?をいだいてHDDも試しました。以下、続く〜 (^^ヾ
2010/11/30
プラッター数や片面/両面のことなどがあるので、単に容量だけでは正しい記録密度がわかりません。もちろんHDDもすべて同じではなく高密度化の工夫のために中身も違ってきているので、記録密度だけを比較してもダメなのかもしれません。しかしながら、そんなことの調査もなかなか難しいようなので、とりあえず容量だけを目安に、かなり大雑把にいくつかのHDDを試しました(笑)。古いHDDは結構持っているのですが、本当はもう少しTB以上を試したかったですね。すべて3.5インチです。
いちおう念のため、すべてのパーティションを削除してから、HDDの先頭に500MBの拡張パーティションを作成し、NTFSでフォーマット、WAVEを入れました。
再生環境は、Core2Duo 8400E でXP SP3、オーディオインターフェースはUA-1EX、再生ソフトはLilithでASIO、HeadPhone Sony MDR-7506、音楽は「天使にラブソングを」のサントラから ”I will follow him 〜 ♪ "です。
No, | メーカー | 型番 | Interface | 容量 |
1 | Seagate | ST31000333AS | SATA | 1TB |
2 | Hitachi | HDS721616PLA380 | SATA | 164GB |
3 | Hitachi | HDS728080PLAT20 | ATA | 80GB |
4 | Maxtor | 4 K060H3 | ATA | 60GB |
5 | Quantum | Fireball CR6.4A | ATA | 6GB |
6 | Fujitsu | MPC3043AT | ATA | 4GB |
7 | Quantum | Fireball SE3.2A | ATA | 3GB |
8 | Seagate | ST52160N | SCSI2 | 2GB |
9 | Seagate | ST15230N | SCSI2 ハーフハイト | 4GB |
(大雑把な)結果
1 < 2=3=4 < 5=6=7 < 8 < 9
あっさりと筆者の思惑どおりに、ほぼ容量(記録密度?)に従って音が分かれました(笑)。
1はカスカスしてそっけないですが、2〜4、5〜7、になるに従い次第に音や音楽が充実してきます。デジタルといえども、桁が違うと影響が出てくるようでした。
ただし、最近のHDDと違って古いHDD(5〜9)は動作音がしますし、もうだいぶガタが来てるでしょうね。
今回、SATAとATAの違いはほとんど感じませんでした。SCSIは別格で、ベールが剥がれたような生々しい音になりました。CFもArtMixのCF PowerMonsterでSCSI接続を試していますが、USBカードリーダーよりだいぶ良かったです。
非常に大雑把な検証ですが、また古いものほど良い、というおなじみの結果ですみません (^^;; これを踏まえると、記録媒体も、パソコンパーツに依存する限り、ファイル再生の未来はそんなに明るくないと言えそうで、これまたすみません (^^;; 個人的には、数年前の検証でSCSIを選んだのが正解だったようで、一安心?です。 とりあえず、ご興味を持たれたら、試してみて下さい。
2010/12/1
これですね。HDD関係ではすぐこの言葉に行き当たります。例えば、こんな2007年の日立のニュースリリースです。wikipediaのフォーマットの項にも、「記録密度向上によってS/N比は低下する一方」って書いてありますね。HDDのデータシートにあれば役立つんですが・・(笑)。
念のため書いておくと、例えば最近の160GBから3TBまでをラインアップしているようなHDDのことはわかりません。同じアーキテクチャーなら同じかも知れません。ここではすごく大雑把な話をしています。
2010/12/2
いつもご訪問いただいている方には言うまでもないのですが、ここ2日間の訪問者さんの多さにはびっくりしていまして、少しだけ読んでサヨナラの方に、後から「おまえデマ飛ばしたろ」と凄まれても困りますから(笑)、フライング気味の内容も含みますが、いちおう書いてみます。
訪問者さんが多いのは、ON爺さんがブログで過分なお言葉と共に2回連続で紹介してくださったからです。さすが人気サイトですね (^^;;
さて、以下の点にご注意下さい。
- 絶対にこうだ!!!、と決め付けるつもりはありません。ああしたらこうだった、という結果を素直?に報告しているだけです。筆者の体調不良のため幻を見ているかもしれませんし(笑)、数ヵ月後には違うことを言っているかも知れませんし、みなさんのところではまったく違う結果になるかもしれません。そんな時は(いや、そんな時でなくても)掲示板ででもお知らせいただけると嬉しいです。
- ここしばらくは、記録媒体の記録密度の話をしていますが、そんなに悲観したものでもないと思っています。音質は記録媒体だけで決まるものではないからです。ちょっとだけ書きましたが、バッファやクロックなど?、デジタル信号を整理整頓する仕組みを評価する必要があると思います。
実際、Lilithでもバッファを多くすると記録媒体の影響は薄れます。メモリーの影響が相対的に大きくなるのでしょう。そうなると今度はメモリーの製造プロセスが気になってくるのですが・・(笑)。 - 掲示板でお教えいただいたところによれば、一般的なCD再生では伝統的?にデジタル信号を整理整頓してDACに渡すような考えは希薄だったようですから、例えば記録媒体からの読み出しが音質に影響しやすかったようです。雑音が多いことが明らかなパソコンやパソコン関連機器を使う際は、デジタルの整理整頓が大事になってくる、というのが今後の流れのような気がします。そのまま飲めればそれにこしたことはないのですが、水源だけでなく浄水器の検討もしようということですね。どストライクに決まれば、CD-Rの違いなどによる音質差もなくなることになりますが・・ (^^ヾ
- 余談ですが、CDなど缶詰音楽自体が、大きな意味で、バッファと云えますね(笑)。