デュプリケーターを使う 2
何年ぶりかのデュプリケーターです。ドライブもメディアもなかなか良いものが見当たらない昨今、パソコンもますます高スペックになり、ノイズもますます増えていきます。古いPCやOSでの音を知っている筆者には嘆かわしい状況です。
現在、CD-Rの音質と労力を考えた場合、お薦めできるのはオーディオ用のCDレコーダーかデータ用のデュプリケーターでしょう。以前のATAPIドライブ用のデュプリケーターは最低書込み速度がネックでしたが、最近はそうでもなさそうなのでチェックしてみました。
今回使うのはACARDのARS-2022D、ATAPIのDVDドライブ用の1:1デュプリケーターコントローラーです。CD-RWドライブも使えます。これに、光学ドライブ2台と好みでHDDをつけ、電源付きケースに組んでデュプリケーターとします。ACARDにはこの他にもいろんなコントローラーがあります。ただ、型番が多かったり、代理店ではACARDのHPにない微妙な型番があったりして、わかり難いですね。完成品もありますので、てっとり早くすませたい方はそちらをどうぞ(笑)。
3ベイや5ベイなどの外付けドライブケースを使うのが普通ですが、今回は手持ちで済ませようとPCケースを使いました。ATX電源そのままでは使えませんので、AT電源変換アダプターをつなぎます。
こんな品です
前面には、液晶ディスプレイと4つのボタンがあります。
基板には、IDEポートが2つ(CN2とCN3)、電源コネクターが1つ、あります。ボタンや液晶にも配線されています。
ケースに組み込み
CN2ポートに40GのHDD(master)とPremium2(slave)
CN3ポートにPremium(master)、を接続しました。
下に見えるのはATX-AT電源変換コネクターの電源スイッチです。
接続方法の規制はほとんどありません。2つのポートに適当に接続しても動作します。ただ、どちらが読み込みドライブになってどちらが書き込みドライブになるのか、の問題があります。起動後に変更できますが電源を切れば戻ってしまうので、接続位置で決めたほうがいいでしょう。
マニュアルでは、CN2ポートにDVD-ROMドライブ、CN3ポートにDVD書込みドライブ、となっています。2台とも書き込み機能を持つドライブを1ポートに1台づつ接続した場合、Master Slaveに関わらず、CN2ポートの方が書き込みドライブに設定される場合が多いようです。
曖昧な書き方をしたのは、よくわからないからです。CN3ポートのほうが書き込みドライブに設定される場合もあります(電源に拠るような気もします)。環境を固定すれば一様に決まると思いますが・・(^^;;
あまり薦めませんが、CN2ポートにMasterとSlaveとして2台のドライブを接続した場合、Slaveが書込みドライブになるようです。CN3ポートではまともに動きませんでした。
コピー
実際の使用では、起動するとこの表示になるので、メディアを入れて、[ENT]キーを押すだけです。
矢印キーを押すと、メニューに入ります。
書込み速度など、ほとんどの設定は電源を切っても保持されます。
デフォルトではCDを直接CD-Rにコピーしますが、CDイメージを一旦HDDに書き込み、それをCD-Rに書き込むこともできます。その際は左のようなsafe mode 表示になります。
書き込み速度
CDの書き込み速度は以下のように設定できます。
1x、2x、4x、6x、8x、10x、12x、16x、20x、24x、32x、40x、48x、52x、Max、Auto(Auto、って?)。
左は、Premium2で2倍速書き込みしている際の表示です。
DVDは、1、2、2.4、4、6、8、12、16、Max。
読み込み速度
読み込み速度も以下のように設定できます。
8x、16x、32x、Max。
左は、Premium2で8倍速読み込みを設定したのですが7倍速になっている表示です。
UnderRun Protect は off しましょう
UnderRun Protect(Burn-Proof) は off にしておきましょう。音質に影響します。
使用可能なドライブ
ACARDのHPに載っています。が、ちょっと古いしわかり難いですね。
かなりのドライブが使えそうな雰囲気ですが、あまり古いドライブは厳しいみたいです。
Benq | DW1640、5224P |
Pioneer | DVR-103、DVR-A05 |
Plextor | Premium2、PX-760A、PX-712A、PX-W5232TA(Premium)、PX-W1610TA、PX-W1210TA、PX-W8432T |
RICOH | MP7200A、MP7080A、MP7040A |
SONY | CRX140E、CRX100E |
TEAC | CD-W516E、CD-W58E、CD-W54E |
YAMAHA | CRW4416E |
AOpen | COM5232/AAH PRO(認識する時もあるが不安定) |
CreativeMedia | infra 52x AudioXcel(CD-ROMドライブ) |
MITSUMI | CR-4804TE |
SONY | CDU928E |
マイベストCD
複数のCDのお気に入りを集めてマイベストCDも作れます。HDDは特に必要ありません。
HDDの使用
HDDも使用できます。
CD用のフォーマットを行なうと、1Gのパーティションが容量の許す限りいくつも作成されるようです。A,B,C,〜,AA,AB,〜などと作成されます。ユーザーには見えないけれど、作業用のパーティションも(たぶん1つ)作成されるようです。DVD用フォーマットでは5Gです。
CDイメージを、1つのパーティションに1つ収める、という使い方をします。トラック単位でリップして書込み時にマスタリングする、という使い方はできません。CD-Rに書き込む時は、パーティションの選択を行い、ソースドライブにHDDを選んだ後、普通にコピーします。
今回の機種はATAPIのHDDしか使えませんが、SATAのHDDが使える機種もあります。
CDプレーヤー
読み込みドライブをCDプレーヤーとして使用できます。ARS-2022Dはコントローラーになります。音声出力はドライブから出ます。曲の頭出しのみで、早送り、リバース、はできません。残念ながら、HDD内の音楽CDイメージは再生できません。メニューのもう少し浅いところに欲しいですね。
その他
- さすがにAudioMasterやGigaRecやVariRecはできませんが、BurnProofのON-OFFぐらいはできます。
- BurnMode設定で、DAO、TAO not close、TAO、の選択枝があるんですが、なぜか追記できないでいるので、いまいち使い方がわかりません(^^;;
- HDDのベリファイは覚悟が必要です。40GのHDDで2時間強を要しました。CPUパワーがあまりないせいかも(なら、高速コピーは大丈夫なの?という疑問も・・笑)。
- CD-RWメディアの消去もできます。
- DVDのコピーは気が向けば試します。
まとめ
書込み速度が細かく設定できますし、嬉しいことに読み込み速度も設定できます(筆者のつぶやきが聴こえたんでしょうか 笑)。
これだけできればATAPIドライブで音楽CD-Rを作るのに、PCを使う必要はほとんどないでしょう。音質の良さは言うまでもありません。起動は早いし、操作も簡単だし、この良さに多くの人が気付けばいいなと思います。
ドライブの組み合わせ、ケーブル、電源、ケース、などは使いこなしになるかと思います。最初にケース付属の電源を使いましたが、この電源は以前のノイズ測定の際に、酷い電源だということがわかっています(^^;; 今は、ケーブルをお気に入りのケーブルに、電源をコーセルのスイッチング電源にして、ドライブを換えては音の違いを楽しんでいます。HDDは使わないことにしました。