CPU内配線の太さと長さ
CPU内の配線を素人の観点から想像してみる(真に受けないほうが良いかも)
首が太くて短い歌手は通りがよくて頭に響きやすいのでいい声が出る、というのは、定説なのか筆者が勝手に考えた理論なのか。民謡歌手にしろ、クラシックのソプラノやテノールの一流どころにしろ、そんな人が多いように思う。筆者の首はどちらかといえば細くて長いので、そういえば逆の意味で思い当たらないでもない(笑)。
筆者は電線病にかかったことはないので、あまり実体験を持って話せないのだが、オーディオでも、配線は太くて短い方が良い、という考えはかなり認められているようではある。
PCでCD-Rを焼く時、影響が大きいのはドライブやメディアだが、PC本体も少なからず影響し、中で最も影響が大きいのはCPUだと思っている。最近は筆者が使うCPUもPentium75や486SX25にまでなっている。消費電力でみればこれらは有利なはずだが、これだけではそれほど大きなアドバンテージではない。Coppermine下位はかなり省電力だし、最近ではPentiumMなどという超省電力なCPUもある。
これら、P4やP5世代CPUを使ってみると、CD-R PCやHTPCによく使われるP6世代とは単に省電力というだけでは片付けられない音質的な大きなアドバンテージがあるようである。いかにも素人が思いつきそうなことで恐縮ではあるが、配線の太さや長さに思い当たったので、表にしてみた。とは言っても、それらが類推しやすい、物理的な要素を挙げるだけなのだが。
CPUも同名みたいな異種があるので筆者にはわかりつらかったが、そういう場合は一般的な方、電力消費の少ない方、という感じで選んだつもり。間違いがあるかもしれないが、ざっと眺めるには足りると思う。消費電力はTDPはほぼ最大消費電力と思われるが、486や初代Pentiumには、Max以外の値もあり、概要が把握できていないが、とりあえずMax値にしておいた。
CPU | core | socket or slot | Vcore (V) |
消費電力 (W) |
トランジスタ数 (M) |
製造プロセス (um) |
ダイサイズ (mm2) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
80486 SX25 | P23 | socket3 | 5.00 | 3.2 | 0.9 | 1.00 | 67 |
80486 DX33 | P23 | socket3 | 5.00 | 4.5 | 1.2 | 1.00 | 81 |
80486 DX4 100 | P24C | socket3 | 3.30 | 4.3 | 1.6 | 0.60 | |
Pentium 60 | P5 | socket4 | 5.00 | 14.6 | 3.1 | 0.80 | 294 |
Pentium 75 | P54C | socket7 | 3.30 | 8.0 | 3.2 | 0.50 | 148 |
Pentium 100 | P54C | socket7 | 3.30 | 10.1 | 3.2 | 0.50 | 148 |
Pentium 166MMX | P55C | socket7 | 2.80 | 13.1 | 4.5 | 0.28 | 140 |
Celeron 266 | Covington | slot1 | 2.00 | 16.6 | 7.5 | 0.25 | 131 |
Celeron 300 | Covington | slot1 | 2.00 | 18.4 | 7.5 | 0.25 | 131 |
Pentium2 233 | Klamath | slot1 | 2.80 | 34.8 | 7.5 | 0.35 | 203 |
Pentium2 266 | Deschutes | slot1 | 2.00 | 16.8 | 7.5 | 0.25 | 118 |
Pentium3 450 | Katmai | slot1 | 2.00 | 25.3 | 9.5 | 0.25 | 123 |
C3 800A | Ezra | socket370 | 1.35 | 8.3 | 15.4 | 0.13 | 52 |
Celeron 300A | Mendocino | slot1 | 2.00 | 19.0 | 19.0 | 0.25 | 154 |
Celeron 300A | Mendocino | socket370 | 2.00 | 19.0 | 19.0 | 0.25 | 154 |
Celeron533A | Coppermine | socket370 | 1.50 | 11.2 | 28.0 | 0.18 | 105 |
Pentium3 533EB | Coppermine | slot1 | 1.65 | 14.0 | 28 | 0.18 | 106 |
Pentium 500E | Coppermine | socket370 | 1.60 | 13.2 | 28.0 | 0.18 | 105 |
Pentium3 533EB | Coppermine | socket370 | 1.60 | 14.0 | 28.0 | 0.18 | 106 |
Pentium3 1000A | Tualatin | socket370 | 1.50 | 27.6 | 44.0 | 0.13 | 80 |
Mobile P3 500 ULV | Coppermine | 0.98 | 4.5 | 28.0 | 0.18 | 105 | |
Mobile P3-M 700 ULV | Tualatin | 0.95 | 3.3 | 44.0 | 0.13 | 80 | |
Pentium4 1.3 | Willamette | socket423 | 1.70 | 48.9 | 42.0 | 0.18 | 217 |
Pentium4 1.6A | Northwood | socket478 | 1.48 | 46.8 | 55.0 | 0.13 | 146 |
Pentium4 2.4E | Prescott | socket478 | 1.25 | 89.0 | 125.0 | 0.09 | 81 |
Pentium4 3.2F | Prescott | socket775 | 1.25 | 84.0 | 125.0 | 0.09 | 81 |
PentiumM 900ULV | Banias | 0.84 | 4.0 | 77.0 | 0.13 | 83 | |
PentiumM 723 ULV | Dothan | 0.81 | 3.0 | 144.0 | 0.09 | 87 |
感想
製造プロセスが細かい方が配線が細くてしかも長いと想像される。また、トランジスタ数をダイサイズで割ると、単位面積あたりのトランジスタ数になるので、これも目安になりそうだ(こっちの方が現実に近い気がするのだが・・)。
486SXとPentiumM 723 ULVでは消費電力もダイサイズもだいたい同じだが、トランジスタ数で122倍、製造プロセスで11倍の違いがある。
これらから、なんらかの指標となる値を求めようと試みたが、やめておく。偉そうに能書きを垂れたが、どうせ素人には違いないから、扱いがよくわからない(笑)。でも、大雑把には、最近のCPUになればなるほど、細〜い線を長〜く引き回してる、ということだと思う。わざわざ筆者が言わなくても、当たり前のことだったりする。
P6世代については、DeschutesやCovington、それにC3について、あまり詳しい音の実検証をしなかったのがちょっと悔やまれる。
「配線の太さや長さで音の話をしようなんて、アナログには当てはまってもデジタルには当てはまらないよ」、という方、また、「CPUで仕組みが違うからそんな単純でないよ」という方もいらっしゃるだろう。そうかも知れない。
太さ長さ以外の要素で考えると、トランジスタ数の増加、配線の屈曲の多さは、周波数が上がれば上がるほど、素子接点からの反射の増加、余計なノイズの増加、に繋がるように思うが・・、後付けの素人理論かな (^^;;
と、まあ、今回はほとんど妄想のような話でした(笑)。
(余談)
上記の表から、製造プロセスに対する単位面積あたりのトランジスタ数の比をとるとなかなか興味深い。
Pentiumで落ち込んでなかなか上がらなかったが、ようやくPrescott以降、486の値に近くなってきた。製造プロセスをミクロにしたはいいが、慣れるには時間がかなり必要らしい。