PC電源のリニア化
ドライブの電源より電流が多くなり危険が増すので、やられる場合は本当に自己責任でお願いします。ここではP6世代のコンピューターを対象にしていますが、最近のPCでは要求される電流量が多すぎるのでさらにさらに危険!です。
信号 | PIN | PIN | 信号 |
---|---|---|---|
3.3V | 11 | 1 | 3.3V |
-12V | 12 | 2 | 3.3V |
GND | 13 | 3 | GND |
PS_ON# | 14 | 4 | 5V |
GND | 15 | 5 | GND |
GND | 16 | 6 | 5V |
GND | 17 | 7 | GND |
-5V | 18 | 8 | PWR_OK |
5V | 19 | 9 | 5V VSB |
5V | 20 | 10 | 12V |
ドライブの電源をリニア化した時、チラと考えましたが、その当時はとても無理だと思ってました。でもそのうちその気になって考えてみると、なんとかやれそうに思えてきました。
M/B上のオンボード電源自体、今ではスイッチング電源になっているので効果は疑問視されなくもないですが、ATX電源の違いでも音が変わることは体験しているので、(本当に^^;;)思い切って、やってみました。
WEBを捜すと、単出力のスイッチング電源を組み合わせて、ATX電源にする記事がいくつか見受けられます。こういった場合、M/Bからの信号を受けて、電源ONするリレーを組んでいるようです。作れそうにも思いますが、電子工作不慣れなものには具体例がないと難しく思えました。とりあえず動作に必要な各V(-5Vは必要ないかも)を用意して、手動でON-OFFしてみました。
前準備
まず、単出力のスイッチング電源でやってみます。ドライブ類はHDDも含め、他で面倒みてますので、M/Bのみへの給電です。
M/BはASUSのCUV4X(WOA)とSuperMicroの370SBA、以下共通でCPUはCeleron500MHz、MMは256MB両面2BANK、ビデオはViper770、SCSIはAHA2940U、RドライブはPX-W1210TSでx4書込。
V | メーカー | 型番 | MAX出力 | CUV4X | SBA370 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
起動時 max |
書込み時 ave/max |
起動時 max |
書込み時 ave/max |
||||
3.3V | コーセル | PAA50F-3 | 10A | 0.02A | 0.02 | 4.3A | 3.2/3.9A |
5V | コーセル | PAA50F-5 | 10A | 7.8A | 3.9/5.2A | 4.2A | 1.8/3.6A |
12V | コーセル | PAA50F-12 | 4.3A | 0.17A | 0.16A | 0.06A | 0.06A |
-12V | コーセル | R15A-12 | 1.3A | 0.04A | 0.03A | -0.03A | -0.03A |
-5V | なし |
CUV4XはASUSらしく、M/B上で5Vから3.3Vを生成するようです。SBA370はPWR_OKと+5VSBに5Vを与えないと起動しませんでした。
余談) ATX電源延長ケーブルを使ってるのですが、ケーブルの皮膜の色がバラバラな製品がかなりあります。せっせと圧着した後気付いた時は、笑っちゃいました。捻るともうどれがどれだかわかりません。
本番
V | メーカー | 型番 | 出力電圧 | MAX出力 |
---|---|---|---|---|
3.3V | 高砂製作所 | GPO16-10 | 0〜16V | 10A |
5V | 菊水電子工業 | PAD35-20L | 0〜35V | 20A |
12V | コーセル | PAA50F-12 | 12V固定 | 4.3A |
-12V | なし | |||
-5V | なし |
欠点は、大きくて重い!、付属のACファンが五月蝿すぎる! です。ACファンを止め、別途DCファンでヒートシンクを冷却しています。蓋を開けているので、すごく見栄えが悪い&埃が入りやすい、のでなんとかしなきゃいけないんですが・・。
普通なら、いくつか入手して選別するのですが、重くて大きいのでとてもそんな気にはならないです(笑)。今使ってるM/Bなら、そんなにAも大きくないので、いっそ自作しようかとも思います。
その後
大抵Slot1やSocket370での話ですが、このような単純なON-OFFでは起動しないM/Bもあります。
・経験からいって(たぶん)○なM/B
ASUS、GIGA-BYTE、ABIT、EPOX、MSI、SUPERMICRO
・経験からいって(たぶん)×なM/B
INTEL、DFI
もっとも、DFIの手持ちのM/Bは何回かON-OFFすると起動する場合もありました。
ボロが出そうですが、ここでATX電源の動作を説明しておきます。
1、+5VSB(5V)をM/Bに入れておきます。
2、ATX電源スイッチが押されると、PS_ON#のラインを通じて、M/Bから電源にスイッチが押されたことを伝えます。
3、そうすると、電源は各VをM/Bに供給します。
4、電源が安定したことを知らせるPWR_OK信号(5V)が、電源からM/Bに送られます。
単純なON-OFFでも、大概のM/Bは起動できるのであまり真剣に取り組んでないのですが、NEC98のDOS/V化のサイトにPWR_OK(POWER GOOD、PGとも言う)のことがありまして、CとRで時定数なる遅延回路をつくる話がありましたので、やってみました。
結果はINTELでも○になりました。ただし、ATX電源スイッチのONという操作は必要でした。各Vが供給されてからのスイッチONは順序が逆ですが・・(笑)。DFIはこれでも×でした(/_;) Cとか換えて見るか・・。
さらにその後 (2008/1/30)
今では5Vと12Vの電源を自作して、マザボと光学ドライブに充てています。詳しくは気まぐれコンテンツの別ページでどうぞ。
P4世代のCPUを使い、HDDはCFですので、マザボ+CFに 5V 2Aだけで済んでいます。3.3Vや12Vは不要です。