CDP出力やリッピングのバイナリ比較(CD6 Track3 、測定14と15の続き)

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測定15で「バイナリ相違数を大雑把に捉えて下さい」と筆者が言っても、やったことない人にはバラツキの程度がわからないので、見当がつかないですよね(^^;; そこで、もう少し測定数を増やして、そのあたりがなんとなく掴めるぐらいにしてみました(どうかな〜)。そんな当初の目的を外れて、ソフトの比較がメインになってしまったような感もありますが・・(^^ヾ

測定14と15に追記すべきかもしれませんが、うまくまとめられないので、ここに雑多に置いておきます。なので、ここを読む前に、まずは下記2つをお読みになることをお勧めします。
14、レンタルCDってそんなに酷いの? の PlextoolsProfessional の DAEエラーリカバリーオプションを試す
15、プレーヤーのS/PDIF出力をバイナリ比較

念のため書いておきますと、これら一連のテストは、通常あまり見られない異常なCDを読む際の各ドライブのエラー訂正能力をマニアック?に調査した結果です(^^;; 通常はまったく気にする必要はないでしょう。ここで好成績を修めたドライブが高音質ということでもありません。懇意にしているオーディオ店の店長なんか、「音質のためにわざとエラー訂正能力を低くするといいかも(筆者注:なるべく余計なことをさせない)」というぐらいです(笑)。

方法

上記、2つのページに準じます。
つまり、測定14の「レンタル落ち音楽CDのバイナリ比較」の中で最も相違数が多かったCD6のTrack3だけを、執拗にリッピングしたりCDPで再生してS/PDIF出力を録音したりして、バイナリを正常なものと比較しています。

異なる点
PCでのリッピング → 10回ほど測定している。気になるドライブの気になる設定を気まぐれに測定している。いくつかのソフトを使用している。特に程よい?相違があったPX-760Aを集中的に測定している。
CDPなどからデジタル録音 → 10回ほど測定している。家にあったCDPなど測定している。

平均は単純平均ではなく、最低値と最高値を抜いた後の平均です。

用いたソフトは、CD manipulator2.70、CD2WAV32r3.25jp、ExactAudioCopy0.99pb5、PlextoolsProfessional2.36、CDex1.70b4、Power2Go 5.5.1.4127(PureRead対応版)、iTunes9.02、WindowsMediaPlayer11
設定欄に記載がないのは、デフォルト設定です。ExactAudioCopyだけ記載すると、Allow speed reduction(取り込み中の減速を許可)チェックあり、error recovery quality(エラー回復品質) は medium(中) です。secure mode だけはデフォルトでなくC2エラー情報を使用しました。Accurate Streamを使用した際はsecure ASと表示しています。

PC用光学ドライブの結果


メーカー 種類 型番 ソフト 設定 バイナリ相違数
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 平均
AOpen COMBO COM5232AAH/PRO CDManipulator
0 0 0 0 0 0 0 0 0
0
CD2WAV32
0 0 0 0 0 0 0


0
ExactAudioCopy burst 0 0 0 0 0 0 0


0
LG DVDR GSA-H42N CDManipulator
299 309 363 271 291 291 312 285 322 334 305
CD2WAV32
335 371 276 281 237 263 310 351 333 308 307
速度0 368 295 312 243 288 323 367 284 265 297 304
速度4 280 325 250 288 269 279 301 270 289 348 288
MATSHITA DVDR slim 外付 LF-P968C CD2WAV32
再起動、測定不能
ExactAudioCopy burst 623 408 499 436 603 322 563 453 447 556 496
paranoia 408 454 415 378 398 375 543 443 438 461 424
Plextor CDR Premium2 CDManipulator
3 6 3 0 15 18 22 6 18 18 11
PlextoolsProfessional
24 5 24 30 21 21 0 6 9 18 16
Plextor DVDR PX-760A CDManipulator
148 125 89 108 91 104 86 91 103 145 107
CDex
123 91 126 127 117 116 125 120 89 66 113
リトライ99回 4x 71 108 83 122 134 101 117 98 95 126 106
paranoia full 4x 126 91 126 62 109 87 62 91 125 68 95
CD2WAV32
123 89 111 63 99 96 92 100 136 94 101
ExactAudioCopy burst 112 119 76 122 74 79 76 117 62 80 92
fast 123 127 67 94 116 83 96 108 84 90 99
paranoia 139 113 128 78 101 86 102 91 73 77 97
secure 19 0 19 0 6 6 31 6 19 25 13
ExactAudioCopy
Allow speed reductionチェックなし
secure 49 87 41 78 57 53 63 43 76 50 59
ExactAudioCopy
error recovery quality HIGH
burst 66 114 116 123 134 84 91 128 89 118 108
paranoia 103 95 36 109 107 90 73 80 64 91 88
secure AS 9 22 9 65 21 45 92 8 33 42 31
secure 14 44 16 3 9 70 65 34 34 9 28
PlextoolsProfessional DAEオプション1 100 125 103 104 100 102 103 101 68 122 104
DAEオプション2 46 61 166 0 146 122 108 138 6 147 97
DAEオプション3 41 39 38 43 27 38 33 29 0 34 35
DAEオプション4 0 9 0 3 2 7 7 13 13 6 6
DAEオプション5 0 32 29 28 20 27 19 15 33 30 25
PlextoolsProfessional
速度ダウン許可
DAEオプション3 0 0 0 0 0 0



0
DAEオプション4 0 0 0 0 0 0



0
DAEオプション5 0 0 0 0 0 0



0
iTunes
89 118 132 184 133 139 159 132 89 127 129
エラー訂正 131 127 113 145 68 106 111 136 78 136 117
WMP
109 91 104 100 97 82 91 52 88 102 94
エラー訂正 94 111 91 98 104 83 96 141 118 91 100
Pioneer DVDR DVR-A16 CDManipulator
996 1561 343 11405 1217 410 473 864 1231 442 899
CD2WAV32
432 367 436 448 392 753 466 339 537 354 429
PlextoolsProfessional
291 385 737 389 615 597 39182 360 557 368 501
Power2Go
441 489 517 485 510 487 576 400 473 396 475
PureRead 285 257 402 296 346 370 311 379 221 376 328
ExactAudioCopy secure AS 168 229 105 210 225 207 193


201
secure 180 227 190 278 211 217 149


205

DVR-A16

まず、お詫びです。測定14と15でリッピンッグに使っていたCD Manipulatorは値が高くなっています。他のソフトの倍ぐらいあります。コマンドがうまく合わないと思われます*1。通常CDで問題なくても、読みの限界付近では問題になるようです。当初予定していたCD2WAV32が松下ドライブと相性が悪く再起動してしまうためのスライド登板だったのですが、選択を誤ったようです。
というようなわけで、誠にすみませんが、測定14と15のDVR-A16の(PureReadでない通常の)相違数はもっと少ないと考える必要がありそうです。それでもここの結果からみると、いままでのダントツ最下位から最下位グループの一員になった程度ですが・・。

*1 書き込み用だと思うんですが、作者さんでない方のPioneer対応パッチを当てておけばよかったかな?。
*2 PlextoolsProfessional でも異常に相違数が多い時がありました。Pioneerドライブはちょっと変ってる??

COM5232AAH/PRO

見事です。


ソフトによる違い

先のような特殊例と特殊な読み取り方法を除けば、ソフトによる違いはあまりないようです。

エラー訂正のための特殊な読み取り方法


CDPなどの結果


メーカー 種類 型番 バイナリ相違数
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 平均
Marantz CD Player CD880J 45 7 52 11 35 43 58 153 19 20 35
Marantz CD Recorder CDR630 68 71 82 6297426 166 69 87 86 129 52 95
Pioneer DVD HDD Recorder DVR-620H 15 13 15 15 0 0 15 15 0 13 11

DVR-620H

なぜか測定15の時より1桁小さくなっています。筆者が間違えたんでしょうか??? これを信用すると、たかだか家庭用DVD-HDDレコーダーのくせに、Premium2並みのエラー訂正能力です(^^;;

全体に

測定15とあわせて考えて、やはり、パソコン用光学ドライブ全般よりCDP全般のほうがエラー訂正能力は高そうです。ただ、パソコンドライブでは見られないようなエラー(音が飛ぶ)が今回もCDR630で部分的に発生したので、エラー訂正の限界は低いかもしれません。

まとめ

まだまだ点数が少ないですが、個人レベルでは大変なので、この程度でご容赦下さい。
悪条件にも様々なものがあるので、読者の方が同じことを行っても同じ結果になるとは限りません。そんなに沢山のドライブを調査しているわけでもないので、あくまで「参考」ということでお願いします。「〜ではないだろうか。」を「〜である。」と言い切るにはまだまだ沢山の測定が必要かと思います。ともあれ、バイナリ比較はこのあたりでお終いにしたいと思います(笑)。

「PCの光学ドライブは読み取り難い箇所では、速度を落としたり何回も読んだりする」、「CDPはリアルタイム再生だから、そんなことはしない」、も疑問です。このテストでもわかるように、PCドライブでフルにそんなことするのはソフトで指定された場合だけです。程度の問題もありますが、「ソフトの指定に拠る」ように思いますし、「ドライブに拠る」かも知れません。

今回のようなバイナリ比較は、出発点を確認しただけだと思います。バイナリ一致は大前提で、それ以上のデジタルの品質をなんとかするのがデジタルオーディオですよね。


juubee's おぼえがき © by juubee アドレス画像 作成 2010/1/30